犬を怖がる子供たちの多くは、犬は咬んだり吠えたりする恐い存在だと思っています。親からそのように教えられたのかもしれませんし、以前に恐い思いをしたことがあるのかもしれません。だから決して近づこうとはしません。ところが、勇気を振り絞って、一度その手で触れた途端に、「かわいい」と思えるようになる子供たちも少なくないのです。自分が差し伸べた手に、しっぽを振って近づいて来る犬に対して、肌を通して温かさにふれあえるという喜び、友達になれるという発見がこころの中に芽生えます。そしてその瞬間、子供たちの瞳はパッと輝き、どうぶつにも自分たちと同じように感情があることや、つきあうにはちゃんとルールがあることを学び取ります。私たち大人が少しアドバイスをすることで、子供たちが本来持っている、どうぶつを慈しむ気持ちを引き出してあげることができるのです。そして、幼い時期にそのような機会を持つことができるかどうかが、その後の子供たちのこころの成長にとって、一つの大きな鍵になることでしょう。 |