はらっぱの仔猫04
 
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そうこうしている内に夜がやってきて、また次の日が始まりました。そしてニノの元には、犬やネズミ、イノシシの他にもたくさんの動物たちが来て「キミはいいな。うらやましいよ」と言って帰ってゆくのでした。そのたびにニノは、「そうだね」と答えていました。けれども、本当はニノの方がみんなのことをうらやましく思っていたのです。

なぜなら、ニノはいつもひとりぼっちで広いはらっぱにいて、友達がいなかったからです。「みんないいな。いろいろ大変なことがあるみたいだけど、お父さんやお母さん、兄弟や友達と一緒に暮らせていいな…」とニノはつぶやきました。ニノは仔猫のときにこのはらっぱに捨てられたので、親も兄弟もいませんでした。