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カバ丸との出会い

私が妻と結婚をしたときに、「カバ丸」という1匹の老犬を連れて来ました。子供の頃から転勤が多かった我が家にとって、犬を飼うのは初めての事でしたが、家族の愛情を一身に受けて、カバ丸は晩年を私たちと共に過ごしました。まるで孫ができたように、我が家の話題はいつもカバ丸のことで持ちきりでしたし、写真もわずか3年の間で600枚にものぼりました。


カバ丸が我が家に来て3年が過ぎて15歳になったときに、末期のガンであることがわかりました。今思えばいくつかの前兆はあったかもしれませんが、いつも寝てばかりいたことや、散歩の速度が遅くなったことも、15歳の老犬だからということで見過ごしていたのかもしれません。最後は、皆が寝静まるのを待っていたかのように、真夜中に静かに息を引き取りました。家族の落胆の様子は大変なものでした。カバ丸は、たくさんの思い出を残して、私たちの前を駆け抜けて行きました。

毎日のように写真を眺めては、思い出話をしていましたが、カバ丸が死んでから約1年が経ったときに、偶然雑誌で阪神淡路大震災で被災したどうぶつたちを保護している団体があるのを知りました。家族全員で話し合い、その施設の犬を引き取ることにしました。私たちはそこで初めて、被災したどうぶつたち以外にも、捨てられて行政の施設で殺処分されているどうぶつたちがたくさんいることを知りました。そして我が家では、神戸で保護されたコタロウという8歳になるオス犬を引き取りました。そのことが、私たちが動物保護の活動を始める切っ掛けになりました。その後、同じ施設から大阪城公園に捨てられていたネネと、飼い主の事情で手放された14歳になるポメラニアンのチャチャを引き取ることになりました。私たちは、保護施設で働くために独立して生活を始めることになり、そこで今も共に暮らしているハロルドとシェリーを引き取りました。

わずか3年でしたが、その間にカバ丸は我が家に大きな贈り物を与えてくれました。どうぶつと共に暮らすことにはたくさんのリスクがありますが、いつでも私たちの側に寄り添い、一心に信頼を寄せてくれる存在が、どれほど私たちの心に安らぎを与えてくれることでしょう。カバ丸という一匹の犬が、私たちにどうぶつと共に暮らすことの喜びを教えてくれたのです。


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